高騰するまえに飲みたい!3,000円前後のおすすめチリワイン3選

高騰する前に飲みたい おすすめワイン 急いでゲット

コスパのよいチリワインは、普段飲みに最適な庶民の味方。管理人も、結構チリワインを飲んでいます。

ただ、1,000円前後で手に入るチリワインの多くは、

アルコール感たっぷり
果実味たっぷり
濃い甘さ
パッション系フルーツの甘い香り

を持ったものが多く、どの銘柄を飲んでも「似たような味だなあ」という印象になりがち。

でも、2,000円から3,000円クラスのプレミアムチリワインに目を向けると、「これ、フランスのワインじゃないの?」と思うような端正なワインがいくつも出てきているのです。

そこで今回は、1,000円台よりちょっと高いけど、コストパフォーマンスのよいおすすめチリワインをご紹介します。

安旨イメージはもう古い!?密かに注目されるプレミアムなチリワインとは

チリワイン おすすめ 赤ワイン

安くておいしいチリワインは庶民の味方

フランスを代表する旧世界のワインは、上を見るとキリがありません。より希少なもの、もっとおいしいものを飲みたいと思ったら、1本5,000円、1万円、5万円、10万円を越えるワインだってざらにある世界です。

ただ、よほどのお金持ちでもない限り、高いワインはそうそう飲めませんよね。ワインを日常的に楽しむなら、1,000円台を基準に週末や特別な日だけ5,000円クラスのワインを飲んだり、本数を抑えて2,000円~3,000円台のワインを買うというのが現実的な考えでしょう。

実際、国税庁の調査によると、20代から50代以上の「約7割から8割」は「1,000円以上3,000円未満」でワインを購入していることがわかります。(※1)

そこで多くの人に親しまれているのが、1,000円前後でおいしい銘柄を楽しめるチリワイン。チリはぶどうの収穫シーズンである夏場に雨が少なく快晴が続き、ぶどうが育つ冬場にはたっぷり雨が降るというぶどうにとって理想的な環境なので、安価でおいしいワインが数多く造られているのです。

(※1)国税庁:「ワインに関するアンケート」集計結果:購入するワイン(720ミリリットル)の主な価格帯は https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/sake/topic/ques/topic-total03/07.htm

チリワインの弱点は似たような味や香りのワインが多いこと

一方、1,000円前後のチリワインには、似たような味や香りの銘柄が多いという弱点もありました。ワインを大量生産するためにぶどうの栽培方法が同じような方法になっており、ワイナリーごとの違いを出しづらい環境だったこと、フランスやイタリア等のようにワインの産地や質に関する規制が緩かったこと、醸造技術が未発達だったことなどが、大きな理由でしょう。

チリで個性的なプレミアムワイン造りがはじまっている

ただし、近年のチリでは、知らずに飲めばチリワインとわからないくらい個性的でおいしいプレミアムワインが増えつつあります。

チリでワイン造りがはじまってから時間が経ったことで、ワイナリーの造り手たちがぶどうの栽培や醸造に慣れてきたこと。2011年におけるチリのワイン法改正で、それまで「D.Oどこどこ」という記載だった生産地を、「海側」「平地」「山脈側」とさらに細かく分類できるようになったこと。世界的に有名な地質学者が、「チリならではの土地や天候を表現できるワインを造ろう」とこだわりのワイナリーを立ち上げたことなどが絡まりあった結果、「個性的なチリワイン」「上質なチリワイン」造りに火がついたのです。

とはいえ、安くておいしいワインは、注目を集めた途端に高騰するのがワイン業界のならわし。プレミアムなチリワインがまだ高騰していないいまこそが、コスパのよいチリワインを楽しむ絶好のチャンスなのです。

安旨チリワインのイメージを覆す!おすすめのチリワイン3選

『ペンコポリターノ』

by カエレバ
生産者 ぶどう品種 価格
ペドロ・バッラ・イ・ファミリア サンソー・カリニャン・パイス等6種類のブレンド 2,750円

世界一の地質学者が見定めた複雑な赤ワイン

ペンコポリターノは、「ペドロ・パッラ・イ・ファミリア」というワイナリーが手がける赤ワイン。マルベックやシラー、カルメネール、カリニャン、サンソー、パイスといった6種類もの赤ぶどうをブレンドして造られています。

通常、チリをはじめとした新世界のワインは、「ヴァラエタル」といってひとつのぶどう品種だけで造るものがほとんど。混ぜるぶどうの種類が多くなればなるほど、味や香りのバランスを取るのも難しくなってしまうからです。

その点、ペンコポリターノはとても高いレベルで複数のブレンドを調和させることに成功しています。豊かな果実の甘い香りに、チョコレートや木樽ピーマンを思わせる青臭い香りとスパイスなどが複雑に混ざりあった上質なワインです。

シラーやマルベックなど、味わいの強いぶどうのワイン、それも新世界のものは酸が少なく、1杯2杯飲むと舌が疲れておいしく感じなくなってしまうことも多いのですが、ペンコポリターノは酸も香りも豊かなので、飲み飽きることはありません。

時間を置くとさらにまろやかになり、違った香りや口当たりを楽しめるため、2日3日かけてじっくり味わいたいプレミアムワインです。

非常に有名な生産者が造っているワインなので、評価が固まってくれば高騰する可能性は十分にあります。どうしてペンコポリターノが注目されるのかを知りたい人は、ワイナリーと生産者に関する以下の説明をご覧ください。

ワイナリーとペドロ・パッラ氏について解説

「ペドロ・パッラ・イ・ファミリア」は、スペイン語で「ペドロ・パッラと家族」という意味です。

これだけ個人の名前が目立っていると、「ペドロ・パッラって何者なの?」と疑問に思いますよね。

ペドロ・パッラ氏は、世界的なワイン雑誌「デキャンター」で、「世界でもっともワイン業界に影響力を与えた50人」に3回も選ばれているワイン業界の超有名人。ワイン造りをするために地質学の博士号を取得したという筋金入りの研究家で、全世界のワイナリーを回って各地の畑の土を掘り、土の栄養バランスや水分量等を調べまくったという偉人です。

ぶどうの出来を左右する地質や天候にとても詳しく、世界でもトップクラスに注目を集める地質学者となっています。

ペドロ・パッラ・イ・ファミリアは、そんなペドロ・パッラ氏が2015年に立ち上げました。世界中のワイン畑を調べ尽くした男性が、最終的に理想的な環境だと思った土地のひとつが、海に近くて夜冷え込み、樹齢の長い古木が残るチリ南部のエリアだったのです。

もともと実績と知名度のある人がつくったワイナリーだからこそ、ペンコポリターノをはじめとしたワインは高騰する可能性を秘めています。ペドロ・パッラ・イ・ファミリアだけでなく、世界的に知名度の高まっているチリワインは徐々に値上がりしているため、高くなって手を出せなくなるまえにぜひ一度飲んでみてください。

ちなみに、できたばかりのワイナリーで造られるワインは、年度ごとにワインの方向性が変わりやすいため、老舗ワイナリーのワインよりも味や香りの変化が大きいです。ちょっとマニアックなワインの楽しみ方をしてみたい人は、毎年発売される度に同じ銘柄を飲み比べてみましょう。ワインの味だけでなく、ワイナリーの成長や変化を感じながら飲むのも、ワインの楽しみ方のひとつです。

『ピノ・ノワール ラトゥーファ』

by カエレバ
生産者 ぶどう品種 価格
クロ・デ・フ ピノ・ノワール100% 3,500円

とてもチリワインとは思えない美しいピノ・ノワール

ピノ・ノワール ラトゥーファは、先ほどご紹介した世界的な地質学者、「ペドロ・パッラ」氏を中心に、4名の専門家が集まって2009年につくったワイナリー、「クロ・デ・フ」が手がける赤ワイン。

通常、チリのように比較的温暖な国で造られたピノ・ノワールは、ぶどうがしっかりと熟す分アルコール度数が高く酸が控えめで、エレガントさや繊細さをあまりうまく表現できません。

しかし、ピノ・ノワール ラトゥーファは、名前や生産地を隠してブラインドで飲んでみると、フランスワインだと思ってしまうくらいきれいな酸と端正な果実の香りを併せ持つワインに仕上がっています。

新世界のワイン特有の元気いっぱいな果実味ではなく、糖度控えめのみずみずしいラズベリーやいちごの香り、火打ち石にハーブの香りなど、冷涼な地域で育てられたピノ・ノワールの香りがするのです。

チリらしからぬ個性的な香りや味わいの理由は、赤土や石灰の多いぶどう畑を使っているから。クロ・デ・フのぶどう畑があるのは、岩がゴロゴロ埋まっているような斜面です。ピノ・ノワールは土地ごとの特性をよく表すぶどうとして知られており、土中にミネラルがたっぷりとある畑で育てたぶどうを使っているからこそ、ミネラル感の強いワインになっています。

全体的にバランスもよく、やや苦味が残るものの、時間を置くとどんどん香りや口当たりが柔らかくなってくるため、ゆっくり飲み進めてほしい赤ワインです。

『コラゾン・デル・インディオ』

by カエレバ
生産者 ぶどう品種 価格
ヴィニャ・マーティ カベルネ・ソーヴィニヨン・カルメネール・シラー 2,250円

コラゾン・デル・インディオは、チリの中央部にあるセントラル・ヴァレーの一部、「マイポ・ヴァレー」という生産地で造られる赤ワイン。

インパクトの大きな赤・白・黒のラベルは、ワイナリーからアンデス山脈を見上げた際、ちょうど夕日に照らされて真っ赤に見えるハート型の大岩がモチーフとなっています。

コラゾン・デル・インディオの特徴は、チリにありながら典型的なフランス・ボルドー地方の赤ワインをお手本にしていること。ただ、むやみに「カベルネ・ソーヴィニヨン・メルロー・プティ・ヴェルド」といったボルドーブレンドを採用するのではなく、チリという国の気候に合わせて「カベルネ・ソーヴィニヨン・カルメネール・シラー」をブレンドしています。

ワイナリーであるヴィニャ・マーティの代表、パスカル・マーティ氏は、フランス5大シャトーのひとつである「シャトー・ムートン・ロートシルト」や、カリフォルニアを代表するプレミアムワイン「オーパス・ワン」、そしてチリ産で1本2万円近くする高級ワイン「アルマヴィーヴァ」の生産に関わっている超一流の醸造家。

ボルドーやカリフォルニアのワインづくりをよく知っているからこそ、チリの環境に合わせたベストなワインづくりを追求できているのです。

ワインの香りは、ブラックベリーにチェリー、黒胡椒などのスパイスに、焼きたてのトーストを思わせる香ばしさ。タンニンも酸も豊富で、凝縮感も強いです。チリワインらしい濃さはあるものの、定価2,250円ではなかなか味わえないレベルの高い味わいを楽しめます。

胡椒をきかせたステーキや焼き鳥など、濃いめの味付けとの相性も抜群。今回ご紹介したチリワインのなかだと一番価格も安く、安定して手に入るので、どのワインを飲もうか迷ったら定番として1本飲んでみるとよいでしょう。

まとめ

1,000円前後でコスパのよいワインに注目されがちなチリワインですが、2,000円から3,000円クラスになると1,000円台のワインとまた違った個性的なワインが手に入ります。

ワイナリーやワインの評判によっては今後値段が高くなり、気軽に手を出せなくなってしまう場合もあるので、コスパのよい新世界のチリワインは、ぜひ安いうちに楽しんでみてください。