『モトックス・ワールドワインフェスティバル2019福岡』にいってきた
ワインの試飲会に参加するとき、「実際の参加者をお手本にしたい」と思っている人は多いはず。
このサイトでは試飲会のマナーやおすすめグッズの記事を書いていますが、文字だけで説明されてもちょっと不安ですよね。
参加者の服装やカバン、会場の様子が事前にわかれば、「こんな感じの格好でいいんだ」と安心できます。
そこで今回は、2019年の2月21日(木)に開催された、
『2019春 モトックス ワールドワインフェスティバル 福岡会場』
のイベントレポートをまとめました。
「会場までどうやって向かうの?」
「ホテルで行われるワインの試飲会ってどんな感じ?」
といった不安を解消したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 2019春・モトックス・ワールドワインフェスティバル福岡の基本情報
- 博多駅から会場までの道筋
- 試飲会の様子をレビュー
- 個人的なベストバイ!管理人がおいしかったワインをご紹介
- モトックスの試飲会はお土産ももらえる
- モトックス・ワールドワインフェスティバル福岡のまとめ
2019春・モトックス・ワールドワインフェスティバル福岡の基本情報
モトックスが主催するワールドワインフェスティバル福岡の開催日時や会場は、以下の通りです。
日時:2019年2月21日(木)18:30~20:30(受付は18:15~20:00まで)
詳細 | |
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場所 | ホテルニューオータニ博多の3階にある宴会場「芙蓉の間」 |
料金 | 3,000円(税込) |
備考 | 当日券なし、事前申し込みで先着150名までの限定イベント |
ワイン | 全部で180種類以上→実際には230種類 |
公式HP | https://mot-wine.mottox.co.jp/event/tasting/index.html |
国内最大級の試飲会
今回管理人が参加したワインの試飲会は、「モトックス」というとても大きなインポーター(ワインの輸入業者)が主催しているイベント。ワインの試飲会には、業者向け(一般の人は参加できない)ものも多いのですが、モトックスのワールドワインフェスティバルは一般人が参加できる国内最大級の試飲会となっています。
定期的に開催されているので、ワイン初心者が初めて参加するイベントにぴったりです。
福岡会場はあまり宣伝されていないけどおすすめ
毎年特設サイトが作られる東京会場や大阪会場に比べると、福岡会場の情報はあまり多くありません。当日券なし、先着受付150名までの限定イベントということもあり、割とひっそり宣伝されている印象です。でも、会場の規模や試飲できるワインの数などは、東京・大阪会場と差はありません。
実際に参加してみるとものすごく楽しい試飲会なので、チケットを買っても十分元を取ることができます。税込みたった3,000円で180種類以上のワインを楽しめることを考えれば、一人飲みとは比べ物にならないくらいお得なイベントです。
ちなみに、福岡会場はチケットを取りやすいので、ギリギリまで参加するかどうかを迷っていても大丈夫。2019年は2月16日まで前売り券を購入できました。管理人が確認した限りだと、150枚中50枚ちょっと余っていたので、ギリギリでもチケットは手に入ります。
ただし、今後イベントの存在がもっと知られていけばチケット完売!なんてことも大いに考えられるので、早めにチケットを購入しておくのがおすすめです。
どんなワインを試飲できるの?
2019年のモトックス・ワールドワインフェスティバルでは、180種類ものワインを試飲可能。フランスやイタリア、スペインなどの旧世界ワインはもちろん、新世界のワインもたくさん試飲できます。仕込んでから10年以上熟成させている古酒も楽しめるとか。試飲会では比較的若いワインの取り扱いが多いので、古酒を試飲できるというのは好奇心をめちゃくちゃ刺激されますね。
ちなみに、種類が多いからといって、1,000円前後のデイリークラスしか並んでいない、なんて心配も不要です。管理人が2018年のモトックス・ワールドワインフェスティバルに参加したときは、1本1万円超えのめちゃくちゃおいしいシャブリを試飲できました。
普段なら手が出せないワインから有名ワイン、これから発売される新しいワインまで試飲できるのは、大きな試飲会ならではのメリットです。
それでは、当日の様子をご覧ください。
博多駅から会場までの道筋
モトックスワールドワインフェスティバル福岡の会場は、誰もが知っているホテルニューオータニです。
イベントの開催場所は毎年同じなので、会場の場所を知っていれば迷うことはありません。
ちなみに、ホテルニューオータニは日本で最初の超高層ホテルであり、初めて「ユニットバス」を採用したホテル。
1964年の東京オリンピックの開催前、たった17ヶ月という短い期間でホテルを完成させるために、ユニットバス方式のバスルームを初めて利用しました。
現在では当たり前の存在になっているユニットバスにも、こうした逸話があるんですね。
ただ、高級ホテルなので緊張してしまう人もいるでしょう。
そこで、今回は博多駅から会場へ向かう道のりもご紹介します。
博多駅の博多口を出て「博多駅前A・B」バス停へ
博多駅には、西側の出口となる「博多口」と、東側出口である「筑紫口」という2種類の出口があります。
今回参加したモトックス・ワールドワインフェスティバルの会場は、博多口方面にあるため、まずは博多口を目指しましょう。博多駅は大きな駅なので、改札を出たあとどちらの方向へいけばいいのか迷いやすいです。念の為、メインの改札口である中央改札口と、北改札口両方から博多口へアクセスする流れをご紹介します。
博多駅の中央改札口はこんな感じ。改札を出たら、左側を向きましょう。
中央口改札口を出て、左を見るとこういう景色になっています。
こちらは、中央改札口のちょうど反対側にある北改札口の様子です。北改札口から出てきた場合は、改札を背にして右側を向きます。
北改札口から出て右を向くと、こんな感じ。方向を間違わないようにして、まっすぐ歩いていけば博多口が見えてきます。
博多駅口にある巨大スクリーンを横目に、さらに直進しましょう。
こちらが、博多口です。博多口を外から見るとこんな感じ。
博多口を出たら、今度は左手側へ向かいましょう。
博多駅の駅前にある、マルイの入った大きなビル(KITTE博多)が目印です。
マルイの下には、交番もあります。交番まできたら、ぐいっと右を向きましょう。
交番の隣にある駐輪場の横を通って、左に曲がると、
「博多駅前B」というバス停があります。博多駅から会場のあるホテルニューオータニ博多へ向かう場合、100円バスを利用するのが一番簡単で楽です。博多には便利な地下鉄もありますが、博多駅から地下鉄で最寄り駅の渡辺通りまでいく場合、遠回りする必要があるためおすすめできません。
値段的にも、地下鉄を使うと片道260円です。バスなら片道100円で、しかも7分くらいなので、時間的にもコストの面でもバスのほうがお得に会場まで移動できます。博多駅からホテルニューオータニ博多は、徒歩で片道20分くらいなので、健康のために歩いていくという方法もありですよ。
博多駅前Bのバス停を利用する場合
行き先番号 |
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9・10・11・15・16・17・19・50・58-1・65・214 |
のバスに乗ればOKです。降りるバス停は、「渡辺通一丁目電気ビル共創館前」か、「渡辺通一丁目十八銀行前」のどちらか。大体、5分間隔で渡辺通りに停まるバスが出ているため、時刻表を細かく気にする必要はないでしょう。
バス停「渡辺通1丁目」で降りてホテルニューオータニ博多へ
こちらが、目的地のバス停です。バスを降りると、目のまえはこんな感じ。
バスを降りたら右にも正面にも進まず、左を向きましょう。
まっすぐ進むとすぐに左側へ進める横断歩道が見えてくるので、渡ります。
横断歩道を渡りきったら「ホテルニューオータニ博多」に到着です。博多駅の改札を出てから、うまくバスを捕まえれば15分くらいで会場までいくことができます。
試飲会の様子をレビュー
入場までの流れ
ホテルに入ると、ロビーの掲示板にこんな感じで案内表示が出ています。
会場は3階にある宴会場、「芙蓉の間」なので、階段やエレベーター等を使って3階まであがりましょう。
3階にも案内板が出ていました。
こちらが会場の受け付けです。イベントは18時30分スタートでしたが、受け付け自体は会場の15分まえからしています。管理人は18時10分くらいに会場へつきましたが、すでに開場を待っている人もいました。ただ、チケットの受け付けができるまで少し余裕があったので、さきにクロークへ荷物を預けます。
手荷物やジャケットを預かってくれるクロークがあるのは、会場にホテルを使っている試飲会ならではのサービスです。
荷物を預けると、番号の割り振られたプラスチック製のタグをかわりにもらいます。なくさないようにしまっておきましょう。ちなみに、クロークに荷物を預ける場合も、財布やスマホなどの貴重品は身につけておくのが基本です。
今回管理人が参加したモトックス・ワールドワインフェスティバル2019博多は、チケットを事前購入して、QRコードで受け付けをするタイプのイベントでした。
受け付け時間になったらスタッフの人にQRコードを読み取ってもらい、入場要のリストバンド(紙製)をもらいます。イベントの時間中であれば、リストバンドをつけている限り入退場は自由です。同時に、当日の資料ももらいました。資料に載っているのは、
ブースの配置図 |
各ブースで試飲できるワインの名前・生産者・ヴィンテージ・価格 |
アンケート |
など。ワインの販売はしておらず、試飲だけのイベントです。イベントによっては、当日気に入ったワインを買って帰れる場合もあります。
会場入口のまえには注意書きもあります。泥酔・飲酒運転・未成年の飲酒は厳禁です。
試飲会の開始
モトックス・ワールドワインフェスティバル開場直後の様子。受け付け開始時間から少しずつ人が集まってきて、開始直後でも結構賑わっています。ホテルの宴会場を使っているので、天井も高くて開放感がありますね。暖房も効いているため、ジャケットなしでも寒くありません。
ちなみに、スーツの人もいればジーンズの人もいて、服装はかなり自由です。ワインをこぼしてしまう可能性を考えると、暗色系の服をおすすめしますが、多くの場合試飲会の服装はカジュアルなもので大丈夫。夏場のイベントなら、Tシャツに短パン、サンダルで参加している人もいます。
ブースの様子はこんな感じ。こちらは、スパークリングワインやシャンパンなどをまとめたブースです。基本的には見本用のボトルと、各ワインの名前や生産者を記したポップがついていて、冷やしたほうがおいしいワインは氷水で冷やしてあります。冷やさなくてもいい白ワインや赤ワインのブースでは、ワインクーラーがなくてワインボトルが並んでいる感じです。ボトルが空いたら、見本用のワインを開けて試飲に回します。
モトックス・ワールドワインフェスティバル2019博多では、会場の中央にバーのブースと、イタリア産ミネラルウォーターであるサンペレグリノの特設ブースもありました。ストローつきのサンペレグリノを無料配布していて、参加者は誰でも自由にミネラルウォーターを楽しめます。
個人的に驚いたのは、会場内の各テーブルにサンペレグリノのミネラルウォーターとガス入り(炭酸入り)のミネラルウォーターが置かれていて、グラスを洗ったり水分補給したりできるようになっていたこと。大きなイベントでも、水はピッチャーや水差しに入ったものが置かれているだけというケースが多いので、かなりお金がかかっているなと感じます。
最初に設置してあるサンペレグリノがなくなってきたら、結露ができるくらいキンキンに冷やされたピッチャーも追加されました。
SNS映えするワインのコーナーも
本格的なワインだけでなく、ボトルの形や見た目のかわいいSNS映えワインのブース。
こちらのワインは、少し変わった形をしています。イタリアではとてもポピュラーなワイン用ぶどうである「バルベーラ」100%のワインで、価格も手頃。
よく見ると指の形にボトルが凹んでいておもしろいです。仲間内のパーティー等でも、話題になってくれるでしょう。
スピリッツのコーナーも
こちらは、会場中央に設置された「モトックスBAR」ブース。イタリアの伝統的なリキュールである「リモンチェッロ」や、ぶどうのかすを蒸留して造る「グラッパ」、ワインを蒸留して造る「ブランデー」にポルトガルの酒精強化ワイン(ぶどうにブランデーやリキュール等を混ぜてアルコール度数を高めたもの)である「ポートワイン」なども並んでいました。
なかには、1本3万円近い高級ブランデーもあります。写真は撮っていませんが、日本酒ブースや日本ワインのブース、プロでも知らないような土着品種(地ぶどう)をまとめたコナー、会場内にあるワインをブラインドで当てるブラインド企画コーナーなどもありました。
管理人が参加した2018年のモトックスワールドワインフェスティバルに比べると、よりエンタメ系の要素が強まっている印象です。
会場内の設備をチェック
会場内には、小休止したり歓談したりするためのテーブルが用意されています。テーブルごとに水やお口直し用のバケットも完備。今回のイベントではワイン以外にオリーブオイルの特設ブースがあり、いろいろなオリーブオイルを試したり、パンと合わせたりすることもできました。
パンやお水が少なくなったら、ホテルスタッフの人が補充してくれます。バケットも乾燥しておらず、柔らかくて食べやすい状態でした。濃いワインやアルコール度数の高いワインを試飲したあとや、赤ワインを飲んでから白ワインの試飲をする場合は、バケットとお水で口のなかをリセットすることをおすすめします。
こちらの大きな樽は、飲みきれないワインを捨てるための容器です。大きな試飲会では短時間でたくさんのワインを試飲するため、注がれたワインをすべて飲んでいては泥酔してしまいます。管理人はもったいない精神でほとんど飲んでしまいますが、より多くのワインを試飲するために、一口二口試したら、思い切ってワインを流してしまうのも試飲会の楽しみ方のひとつです。
試飲会のあとに仕事があったり、翌日の朝早かったりする場合は、積極的にこういった容器を活用しましょう。
ご覧の通り、ワインやグラスを洗ったあとの水を捨てられるようになっています。イベントによってはワインクーラー等を吐器がわりにしている場合もありますが、モトックス主催の試飲会だけあって会場の雰囲気にも合ったおしゃれな容器です。
ちなみに、試飲会では同じグラスを使い回すので、立て続けにワインを注いでもらうと味や香りが混ざってしまいます。香りの強いワインを試飲したり、赤ワインのあとに白ワインを試飲したりする場合は、テーブルに置いてある水をグラスに注いでぐるぐる回し、樽型の容器に捨ててしまいましょう。水を捨てずに飲んでおくと、水分補給もできて一石二鳥です。
個人的なベストバイ!管理人がおいしかったワインをご紹介
赤ワイン
ボデガス・バロリア『ビーニャ・バロリア グラン・レゼルバ1968』
生産国 | 品種 |
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スペイン | テンプラリーニョ100% |
2時間の試飲会で、管理人が試飲したワインは全部で35種類でした。そのなかで、ダントツでおいしかったのがこちらのワイン。
モトックス・ワールドワインフェスティバル2019博多では、目玉として古酒を揃えたブースを用意していました。ビーニャ・バロリア グラン・レゼルバ1968は、当日試飲できたワインのなかでもっとも古い赤ワインです。なんと、驚きの51年熟成モノ!このクラスの古酒になると、そもそもお金を出しても売っていないことが多いので、とても貴重な体験ができました。
スペインはコスパの高い長熟ワインがたくさんある国なのですが、リオハという地域では1980年以前のワインを出荷していいワイナリーをわずか10軒に限定しています。ワインはどんなものでも長熟させればおいしくなるというわけではなく、ぶどうの出来が恵まれていて、しかも適切な保管状態にあるものでないとおいしく楽しめません。その点、ボデガス・バロリアのグラン・レゼルバ1968は、驚異的なおいしさでした。
スペインのテンプラリーニョといえば、もったりした甘さと濃さ、酸味の少なさが特徴的です。こちらのワインは、まるで熟成させたピノ・ノワールのような薄い色をしていました。香りは甘めで、口に含むと複雑なハーブや熟成香、清涼感に圧倒されます。高級ワインや高品質なワインは、「余韻」といっていつまでも香りや味わいが口のなかに残りますが、余韻の長さは抜群のひとこと。
しかも、試飲会の最初に試したときよりも、試飲会の最後に試したときのほうがずっとおいしいのです。ワインの熟成は劣化と隣合わせなので、古酒は時間を少し置いただけで風味のピークを越えてしまうことも少なくありません。若いワインに比べて扱いが難しいにも関わらず、2時間置いてさらにおいしくなる古酒というのは、本当に驚異的としかいいようがないです。もともと、テンプラリーニョは何十年も熟成させられるぶどう品種ではない(長熟させるためには強いタンニンや酸が必要で、テンプラリーニョにはそれらが少ないため)ため、50年熟成できているという点でも貴重なワインといっていいでしょう。
管理人も少しはワインを飲んでいるほうだと思いますが、香りが複雑すぎてどう表現していいかわからないくらいレベルの高いワインでした。
マストロベラルディーノ『ナトゥラリス・ヒストーリア イルピニア1999』
生産国 | 品種 |
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イタリア | アリアニコ85%:ピエディロッソ15% |
試飲会で一番おいしかったのは『ビーニャ・バロリア グラン・レゼルバ1968』でしたが、こちらのワインも負けていません。
1999年、つまり約20年も昔に造られたワインなので、色は熟成して赤というよりエンジやレンガ色に近いガーネットになっています。ただ、香りはびっくりするくらい若々しく、酸も果実味もあってバランスの取れた味わいでした。熟成させたワインならではの、お出汁のような後味もあり、約8,000円でこのクラスのワインを楽しめるなら、かなりコスパがいいと思います。
熟成させた古酒は、果実味がどこかへ吹っ飛んでいて、ハーブや土などの複雑な香りになっているものが多いため、果実味たっぷりの古酒というだけで衝撃です。
[Mastroberardino マストロベラルディーノ]、 ナトゥラリス ヒストーリア 1999 イルピニアIGT(赤) 750ml/カンパーニャ州
- 出版社/メーカー: マストロベラルディーノ
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アジィエンダ・アグリコーラ・グルフィ『ネロサンロレ2006』
生産国 | 品種 |
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イタリア | ネロダーヴォラ100% |
アジィエンダ・アグリコーラ・グルフィは、イタリアで注目されているワイン生産者。ワイン漫画としては異例の大ヒットを生んだ『神の雫』に登場するイタリアワイン大好きなキャラクターのもとになった人が書いたイタリアワインのおすすめ本、「イタリアワイン最強ガイド」では、グルフィのワインを飲みまくっていたそうです。
管理人もイタリアワイン最強ガイドを読んで、グルフィの安い(1,700円くらい)赤を飲んだことがありますが、抜群のコスパでした。ちなみに、「アジィエンダ・アグリコーラ」というのはイタリア語の「農場」という意味です。そのため、一般的には「グルフィ」と呼ばれます。
以前同じ生産者のワインを飲んだことがあったため、「あれっ、GURFIっていうロゴマーク、以前見たことがあるな」と思って試飲したのですが、大当たりでした。タンニンはめちゃくちゃ強いのですが、タンニンの強さが気にならないくらいなめらかな舌触りで、柔らかな口当たりを楽しめます。体温で揮発したアルコールもふんわりと香りをふくらませてくれるので、ストレートにおいしい!という感じ。
グルフィがあるのはフランスのブルゴーニュに似た知識を持つとされているイタリアのシチリア島で、割と元気いっぱいで果実味のあるワインが造られています。もしイタリアワインに興味があれば、ぜひ飲んでみてほしい生産者のひとりです。
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ドメーヌ・ミッシェル・グロ『ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ クロ・デ・レア2016』
生産国 | 品種 |
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フランス | ピノ・ノワール100% |
フランスワインはお高いので、なかなか普段飲みできません。ただ、毎年価格が高騰しているのにフランスワイン好きがたくさんいるのは、価格を無視したくなるほど素晴らしいワインがフランスのボルドーやブルゴーニュで造られているからです。
こちらのワインは、ブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村という場所にある、「クロ・デ・レア」という名前の畑で造られたぶどうだけで造られています。ブルゴーニュでは、「地域→村→村のなかにある畑」と範囲が狭くなるにつれてワインの質や値段も上がっていくという法則があり、単一畑(モノポール)と呼ばれるクラスのワインは数えられるくらいしかありません。
ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ クロ・デ・レア2016は、正真正銘ドメーヌ・ミッシェル・グロという生産者のフラッグシップワインなのです。ちなみに、ドメーヌというのはワイナリーの別名。ブルゴーニュではワイナリーのことをドメーヌと呼び、ボルドーではシャトーと呼びます。そのため、ブルゴーニュワインは「ドメーヌ・○○」という生産者が多く、ボルドーだと「シャトー・○○」という生産者が多いです。
ブルゴーニュで多く造られているピノ・ノワールは、ストレスや環境の変化に弱く、育てるのが難しいぶどうの一種。そのかわり、繊細な味わいに美しい酸となんともいえない華やかな香りのワインを生み出します。そんなピノ・ノワールは、繊細なだけあって「地質の影響」を受けやすいです。同じぶどうなのに、道を一本またいで隣の畑に行くだけで味わいが大きくかわってしまいます。そして、ヴォーヌ・ロマネという村で造られるピノ・ノワールのワインは、スパイシーで男性的な味わいのものが多いです。しかし、クロ・デ・レアは男性的でありながら、乱暴さがかけらも存在しないきれいな酸と、果実の凝縮感に圧倒されるようなワインでした。
力強いのにエレガント、まるでギリシャ彫刻のようなワインです。こういった素晴らしいワインを味わうと、いつの間にかフランスワインの愛好家になってしまいます。ブルゴーニュのおいしいワインを家飲みするのはお財布事情的に大変なので、フランスワインに興味のない人こそ、試飲会でいいブルゴーニュのワインを楽しんでほしいというのが管理人の意見です。
ミシェル・グロ ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ クロ・デ・レア モノポール[2016]【750ml】
- 出版社/メーカー: ミシェル・グロ
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テヌータ・ディ・トリノーロ『レ・クーポレ・ディ・トリノーロ2016』
生産国 | 品種 |
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イタリア | カベルネ・フラン42%:メルロー40%:カベルネ・ソーヴィニヨン14%:プティ・ヴェルド4% |
個人的な好みとして、管理人はかわったワインを好みます。今回モトックス・ワールドワインフェスティバル2019福岡で試飲したワインのなかで、一番個性的なワインがこちらです。
イタリアは、地ぶどうが多いため個性的なワインがたくさん造られています。一方で、ボルドーブレンドをお手本にした高品質なワインも数多く造られている国です。しかし、なかには変態としかいいようのないワインを造っている生産者もいます。テヌータ・ディ・トリノーロを立ち上げたアンドレア・フランケッティ氏もそのひとり。
フランケッティ家は、中世になってからイタリアにやってきたとされている有名な家で、簡単にいうとものすごいお金持ちです。ワイナリーの生産者には、昔からワインを造っている人だけでなく、ワインを好き過ぎたり投資感覚だったりするお金持ちもいます。テヌータ・ディ・トリノーロはまさに金持ちの道楽的なワイナリーのひとつなのですが、ワインに対するこだわりが半端ではありません。
イタリアは、どこにいってもワインの有名生産地がある国です。しかし、テヌータ・ディ・トリノーロはあえてまったく無名な山のなかに小さな畑を購入しています。生産者としてはぶどうを完熟させること、完熟した最高のぶどうだけをワインに使うことに強いこだわりを持っていて、毎朝畑になっているぶどうを食べ、完熟したものだけを醸造に回しているそうです。
化学肥料も使わず、栽培の楽さや収穫の楽さよりもいいぶどうを育てるためだけに畑の管理をしています。余裕のあるお金持ちだからこそ、利益を度外視して変態的なこだわりのワインを生み出せるのでしょう。
実際、レ・クーポレ・ディ・トリノーロは、素晴らしくセクシーなワインでした。イタリアでも複数のぶどうをセパージュして造るワインはありますが、一般的にあまり特徴らしい特徴のない、どちらかといえば裏方的な役割を果たすカベルネ・フランを中心としたブレンドはまだまだ少ないです。しかし、カベルネ・フランやメルローといった柔らかな味わいのぶどうをメインに使い、びっくりするくらい色気たっぷりのワインに仕上げています。
テヌータ・ディ・トリノーロは、世界的なワインの評論雑誌であるワインスペクテーターや、ワインアドヴォケイトでも高得点をつぎつぎと叩き出しているワイナリー。レ・クーポレ・ディ・トリノーロは、ラインアップのなかで一番安いワインで、もっと上のランクのワインもあります。こだわりにこだわった変態的なワインを飲んでみたい人は、ぜひ一度試してみてください。
レ・クーポレ・ディ・トリノーロ Le Cupole di Trinoro (イタリア・トスカーナ産・赤ワイン)
- 出版社/メーカー: トリノーロ
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リチャード・カーショウ・ワインズ『エルギン シラー クローナル・セレクション2015』
生産国 | 品種 |
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南アフリカ | シラー100% |
じつは、南アフリカは管理人も注目しているワイン産地のひとつ。これまでコスパのいいワインの代名詞だったチリやアメリカのワインが少しずつ高くなってきたことで、「南アフリカのワインって安くておいしいのが多いぞ」とひそかに話題になっているのです。
いわゆる新世界、ニューワールドに分類される南アフリカですが、デイリークラスのワインはもちろんのこと、5,000円前後のちょっとお高いワインもかなりおいしくなっています。管理人は南アの高級クラスは初めて飲みましたが、旧世界のワインだったら10,000円から12,000円はしてもおかしくないレベルだと感じました。
一般的に、新世界は天気がいいため果実がよく熟し、果実香や果実味がたっぷりとしたワインに仕上がるかわりに酸は少なくなります。しかし、エルギン シラー クローナル・セレクションはワインの酸をよりまろやかにするマロラクティック発酵(M.L.F)という製法を取っているため、新世界のワインとは思えないほどきれいな酸とバランスのよさを持っているのです。
豊かな果実味と黒胡椒の香りが特徴的なシラーというぶどうの香りがダイレクトに立ち上ってきて、文句なくストレートにおいしいワインでした。「オーパス・ワン」など、新世界のワインでもめちゃくちゃ高騰しているものが増えてきているので、ひとつふたつ上のグレードのワインを飲んでみたい人は、南アフリカの5,000円クラスを漁ってみましょう。
リチャード・カーショウ・ワインズ エルギン シラー クローナル・セレクション 2014 南アフリカ産赤ワイン
- 出版社/メーカー: リチャード・カーショウ・ワインズ
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白ワイン
ヴァイングート・テッシュ『ディープ・ブルー2017』
生産国 | 品種 |
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ドイツ | ピノ・ノワール |
スパークリングやクレマン、シャンパンに白ワインなどもいろいろ試飲しましたが、とくにおすすめしたい!と感じたのがこちらのディープ・ブルー。
一般的に、白ワインは皮の色も緑がかった「白ぶどう」で造られることが多いです。ピノ・ノワールはフランスを中心に基本的には赤ワイン用のぶどうとして扱われており、スパークリングで利用することもありますが、ピノ・ノワールの白ワインはそれほど多くありません。
しかも、フランスの北部と隣接していて非常に寒いドイツでは、寒さに強い伝統的な甘口ワインを数多く造っています。ドイツにおけるワインのランク付けも、「どれだけ甘いか」で決めているくらい、甘口ワインの多い国なのです。そんななかで、ヴァイングート・テッシュのオーナーはあえて辛口ワインだけを造っています。
もともと、ヴァイングート・テッシュは地元で300年の歴史を持つ伝統的なワイナリー。しかし、1997年に先代からあとを継いだ現当主のマルティン・テッシュ氏は、「歴史など知ったことか」とそれまで植えていたワインのほとんどを全部引っこ抜き、「リースリング」と「ピノ・ノワール」に植え替えてしまったのです。
ワイン造りのスタイルとしては、土地ごとの特性を素直にエレガントに反映することにこだわってます。土地の特性を活かすために、酸が豊かで地質の影響を受けやすいリースリングとピノ・ノワールだけを育てているわけです。
物珍しさで試飲させてもらいましたが、リースリングに近いきれいな白ワインでした。しかし、リースリングよりも酸が弱いため、ドイツやアルザスの酸っぱいワインが苦手な人ならきっと気に入るでしょう。香りもふくよかで嫌味がなく、一口目よりも二口目のほうがおいしく感じます。新世界など、濃ゆうま系のワインは最初こそおいしくても、度数も高くて主張も強いため飲み飽きてしまったり、飲み疲れてしまったりしますが、ディープ・ブルーは飲み飽きる心配もありません。
同じワイナリーが手がけるリースリングはもっとおいしいという話をスタッフの人から窺ったので、機会があったらぜひ飲んでみたいと思います。価格も2,650円と割と手を出しやすい価格帯なので、気になったらぜひ飲んでみてください。
ワイン 白ワイン 2016年 ディープ・ブルー・トロッケン / ヴァイング−ト・テッシュ 750ml
- ジャンル: ビール・洋酒 > ワイン > その他の国 > 白
- ショップ: ワイン通販 エノテカ楽天市場店
- 価格: 2,862円
モトックスの試飲会はお土産ももらえる
今回はモトックス主催のワインイベントでしたが、試飲会の多くは同じ流れで進みます。イベント終了まで、ひたすら「試飲してグラスを洗って試飲して」の繰り返しです。
会場内にはお口のなかをリセットするためのバケットや水もたくさん用意されているので、試飲会に参加するときは飲み過ぎ・酔い過ぎに注意しましょう。
ちなみに、モトックスワールドワインフェスティバルでは、受け付けでもらえる資料についていアンケートに答えると、お土産でワインを1本もらえます。
中身は、試飲会に参加した人のお楽しみ。今回のお土産は、フランス産の白ワインでした。1本1,500円くらいのワインなので、実質1,500円で230種類のワインを楽しめた計算になります。
モトックス・ワールドワインフェスティバル福岡のまとめ
たった3,000円で230種類もの試飲ができて、しかもお土産までもらえるモトックス・ワールドワインフェスティバルは、ワイン初心者の試飲会デビューにおすすめのイベントです。当日券がないので事前にチケットを購入する必要はありますが、お土産としてワインももらえることを考えると、手間暇をかけてチケットを購入する価値はあります。
定期的に同じ会場で開催されるイベントですが、年度によって試飲できるワインもまったく違い、新しいブースも作られるため、試飲会に不慣れな人から上級者まで幅広く楽しめるでしょう。
ホテルで開催されるような大きな試飲会は、好みのワインを見つけたり、新しく入荷されるワイン情報をいちはやくゲットしたりするチャンスです。ワインが好きな人や、ワインに興味のある人なら絶対に楽しめるイベントなので、勇気を出して申し込んでみてください。