【ホテルオークラ博多】オークラマルシェ2019が最高だったという話
福岡のイベントは、東京・大阪・名古屋といった大都市の試飲会に比べるとあまり宣伝されていません。しかし、実際には参加しないともったいないくらい楽しいイベントがたくさん開かれています。
今回ご紹介するのは、2019年3月31日(日)にホテルオークラ博多で開催された「オークラマルシェ2019」という試飲会。
○入場も試飲も無料
○最大で7時間かけて60種類以上のワインを試飲できる
○レアワイン・高級ワインの試飲もできて最高
だったオークラマルシェ2019に参加した感想を通じて、オークラマルシェの魅力をお伝えします。
オークラマルシェ2019のイベント詳細
詳細 | |
---|---|
イベント名 | オークラマルシェ2019 |
開催日 | 2019年3月31日(日) |
時間 | 11:00~18:00(入場は17:00まで) |
場所 | ホテルオークラ博多・4Fの宴会場・平安の間 |
料金 | 入場無料・試飲も基本無料・一部有料試飲あり(500円前後) |
出展企業 | エノテカ・ヴァンパッシオン・ジェロボーム・ジャルックス・モトックス |
オークラマルシェは、福岡だけでなく東京のホテルオークラでも開催されているイベントです。東京開催の場合は入場料2,000円を取るかわりにより多くのワインを楽しめるようになっています。
福岡のオークラマルシェは、ホテルの宴会場を利用したタイプのイベントで、東京に比べると規模は小さめ。ただし、東京会場と違って入場無料です。
高級ホテルが会場ですが、ドレスコードなどがないためスーツでもカジュアルでも気軽に参加できます。
開場直後の様子
とてもお客さんが少なく、めちゃくちゃゆっくりと試飲して回れました。とくに開場直後は参加者が5人いるかどうかの状態なので、各インポーターのブースを独占状態。スタッフの方によると毎年それほど混雑することはなく、人が増えてくるのもお昼すぎからなんだそうです。
管理人は11時の開場直後に入ってトイレ休憩以外ずっと試飲していましたが、滞在した約6時間で「ブースに人が多くて試飲できない」「テーブルがいっぱいで休めない」と感じたことは一度もありませんでした。
人混みが苦手な人でも、安心して参加できる試飲会です。
どんなワイングラスを使うの?会場内にお水はある?
ワインの試飲は、会場に入ってすぐのテーブルに置いてあるこちらのワイングラスを使って行います。ワイングラスのサイズは、100mlちょっと入るくらい。試飲会用のグラスとしては、一般的な大きさです。
ワイングラスの隣には、お水を飲むためのコップと水差しも置いてあります。ワイングラスやコップはセルフサービスで、グラスが汚れてきたら好きなタイミングでグラスを交換することも可能。
会場内の休憩用テーブルはこんな感じ
会場内には、こういった休憩用のテーブルがいくつか置いてありました。各テーブルにあるのは、紙ナプキンと吐器がわりの紙コップです。細かいことですが、紙コップは持ち手になる表面がギザギザしているので、滑りづらくて持ちやすいものをチョイスしてあります。
オークラワイン2019のおつまみは1種類だけ!
オークラマルシェ2019のおつまみは、
ゴルゴンゾーラ・ドルチェ
カマンベール・ド・ノルマンディ
コンテ
のどれか1種類とバケットをいただく有料のチーズ&バケットだけでした。入場料や参加費を取るタイプのイベントではないので、バケットやクラッカーなどの無料おつまみがなくて当然ですね。
ちなみに、チーズ・バケットセットの価格は1皿500円。青カビタイプのゴルゴンゾーラは、慣れていない人にはとっつきづらいチーズですが、「ゴルゴンゾーラ・ドルチェ」は甘口で比較的においや塩分が控えめなので、チーズを食べ慣れていない人でもおいしくいただけます。元祖カマンベールチーズと呼べる癖のない白カビチーズ、「カマンベール・ド・ノルマンディ」や、まろやかな味わいで食べごたえのある硬めのチーズ「コンテ」をそろえているあたり、ワイン初心者やチーズ初心者におすすめすることを考えたラインナップです。
写真を撮り忘れてしまったのが、数種類の有料ワインブースも用意してありました。1杯500円くらいで、60ml(試飲だと30mlくらい注ぐことが多い)試飲できます。有料試飲といっても、お手頃価格で手を出しやすいです。
福岡の隠れた神イベント『オークラマルシェ』が最高すぎた
オークラマルシェ2019の感想は、
「最高すぎる」
のひとこと。ワインに興味が出てきたワイン初心者の人も、マニアックなワイン好きにもぜひ参加してほしい神イベントです。
入場無料!試飲も無料(一部有料)
まずここがすごい。入場無料で試飲も無料。会場内には受付もありますが、基本的には当日並んでいるワインを購入するための場所です。
「ワイングラスを取って好きに試飲して」というタイプのイベントなので、ふらっと入ってふらっと出ていくことができます。
有料のワインイベントや試飲会だと、受付でチケット等を見せてリストバンド(トイレ等で再入場する際に必要)とワイングラス、当日の資料をもらうといった手続きが必要なのですが、無料イベントなので面倒な手続きも一切不要。
11時から18時まで試飲できる
つぎにすごいのがここ。イベントの時間がめちゃくちゃ長い。ワインイベントは、長いものでも4時間くらいです。100種類のワインを試飲できるイベントだろうと、200種類のワインを試飲できるイベントだろうと、2時間程度で閉場してしまうものがほとんど。
当然ですが、限られた時間でたくさんのワインを試飲するのは難しいです。しかし、ホテルオークラ博多のオークラマルシェ2019は、午前11時から午後18時までの最大7時間試飲することができます。
イベント後に数えてみたところ、管理人は6時間くらいかけて68種類のワインを試飲していました。
管理人は「開場と同時に入場して、閉場ギリギリまでひたすら試飲しまくる」というスタイルなので参考にならない部分もあると思いますが、7時間もあれば途中でお昼ごはんを食べたり、ほかの場所で軽く飲んだりしてから戻ってきても試飲を続けられます。
お酒に弱い人でも時間をかけて少しずつ試飲できるため、長時間やってくれるイベントはとても貴重です。
普段なかなか見る機会のない「カルトワイン」を生で見られる
個人的にもっと取り上げるべきだと思ったのが、こちらのブース。ワインの世界には、「カルトワイン」と呼ばれる熱狂的な人気を誇る品薄・超高額ワインが存在します。おもにカリフォルニアのナパヴァレーという地域でつくられており、少量生産でお得意様やワイナリーをひいきにしている上客しか入手できないため、めったに目にする機会がありません。普通のワイナリーではとても商品化できないレベルでこだわり抜いたワイン造りをしているため、ものすごく高いかわりに一度飲むと熱狂的なファンになってしまう人も多い、高級ワインの代名詞です。
そんなカルトワインたち、なんと木箱に入った4種類のワイン18本だけで総額200万円超え。4種類のワインを1本ずつ並べても40万円以上します。
もはやワインだけで車が買えてしまうレベル。ここまでくると、単純な嗜好品というより一種の財産です。実際、日本ではあまり知られていませんが、希少性や需要、味わいなど複数の基準で「将来価値が出て高くなる」ワインが多いので、ワインは飲み物であると同時に投資商品でもあります。
こちらは、4種類のなかで一番高いハーランエステイトのレッドワイン。シンプルな名前ですが、1本あたりの価格は約20万円です。封がしてあるため、おいそれと開封できないようになっています。
ナンバーナインエステートのコルギン。こちらも希少です。
個人的に面白いなと感じたのが、ダナ・エステーツのカベルネ・ソーヴィニヨン・ヘルムズ。同じ柄をたくさん並べるデザインは、日本の伝統的な和柄の模様とも共通点がありますね。ちなみに、花柄の黒い部分は、印刷ではなくラベルを切り抜いてあります。
木箱にカリフォルニアの地図を焼き入れするなど、細かなデザインや工夫が行き届いているのも特徴的。
レアなワインやおいしいワインも盛りだくさん
ナポレオン皇帝の結婚式で使われたという逸話を持つシャンパーニュ。世界に9つしかない「三つ星」認定を受けているシャンパン生産者の手がけるスパークリングです。
シャンパンは毎年同じ味わいのものを販売するため、通常は古いものから新しいものまで色々なヴィンテージのワインを混ぜて味わいを調整しています。そのため、N.V.(ノンヴィンテージ=生産年不明)が多いのですが、ジャクソンのシャンパンは○年のぶどうでつくった、と明記してある珍しいタイプ。それだけでなく、ボトル裏のラベルに「デゴルジュマン(澱引き)をした日付」や「ドサージュ(リキュール等を加えて甘みやコクを足す作業)の量」を記載するなど、ワインマニア心をくすぐる仕様になっています。
英国王室御用達、2019年のシャンパンランキングで、「クリュッグ」や「ルイ・ロデレール」「ボランジェ」等を押さえて堂々の第1位に輝いたポル・ロジェのスタンダードな1本。
ラベルもおしゃれで味も正当派!シャンパンやスパークリングワインが好きな人には、ぜひ一度飲んでみてほしいきれいなシャンパンです。
「セレブのシャンパン」として有名なビルカール・サルモンのシャンパンシリーズも無料で試飲できました。フランス国内の星つきレストランすべてのワインリストに載っているそうです。管理人は初めて飲みましたが、めちゃうま。
日本の地ぶどう、「甲州」を使った鳥居平今村。日本ワインとしては珍しい2004年ものです。通常、甲州100%のワインは透明に近い薄い色なのですが、長期熟成しているためかなり色が変わっています。
日本のワイナリーでは、短期的な資金繰りのために「今年のぶどうで仕込んだワインをその年に売る」のが一般的なので、長期熟成ワインはあまり数がありません。2004年ものの日本ワインは割と貴重なのですが、そんなワインも無料試飲。
フランスの「サンセール」という地域でぶどう造りをしている生産者、アンリ・ブルジョワのワインたち。端から順番にすべて試飲させてもらいました。ほぼ同じ地域、同じ種類のぶどうを使っていても、飲み比べてみると明らかに味と香りに違いがあります。グレードの高いワインになればなるほど上質になっていくので、正直たまらんですね。
同じ造り手のワインをグレード違いで飲み比べる機会はそうそうないので、試飲会やワインイベントで気になる生産者のワインを見つけたらぜひ試してみてください。
3,000円台のチリワイン、ドメーヌ・デ・グラスのアンテュー・ピノ・ノワール。チリワインですが、海岸に近く冷涼な気候を持った場所で造られています。赤道に近い分日差しが強いことを除けば、ほぼフランスと同じような気象条件を持ったエリアで造られているだけあって、いわれなければチリワインとは思えないエレガントな味わいと酸のあるワインでした。
ちなみに、こちらのワインと同じ3,000円台のおすすめチリワインは、こちらの記事でも紹介しています。
オークラマルシェ2019で試飲したワインのなかで、とくに印象的だったのがカリフォルニアの生産者、オーボン・クリマのシリーズです。白ワイン、ロゼ、赤ワインと試飲しましたが、とにかくどれを飲んでもおいしい。
カリフォルニアワインというと、上質なものだとオーパス・ワンをはじめ、果実味や凝縮感が強くて「重たい」ワインが多い印象を持っていました。しかし、オーボン・クリマのワインはどれも繊細で雑味のない酸やミネラルがあり、しなやかな口当たりと香水のようなフローラルさ、セクシーさを感じます。
一般的には、特定のワインを気に入ることはあっても、ワイナリー全体で見ると好みに合わないものと出会ってしまうことが多いです。しかし、オーボン・クリマに関しては自分の好みにぴったりとフィットしてくれたので、試飲できて万々歳でした。
まとめ
一部の有料試飲を除けば、入場無料でレアなワイン、高級ワインを最高7時間かけて試飲しまくれるオークラマルシェ2019は、福岡近郊にお住まいならぜひ参加してほしい最高のイベントです。
宣伝の関係か、ものすごくいいイベントなのに参加者が少ないので、少しずつワインを楽しみたい人や人混みが苦手な人、スタッフの人とじっくりお話をしながら試飲したい人も満足できます。
無料イベントとしては破格の満足度を誇る試飲会なので、定期的に自分でイベントのスケジュールを調べて、見逃さないように参加しましょう。
ちなみに、ワインイベントの開催日時を調べる方法は、こちらの記事で紹介しています。